TOYOBOSHI Itoi Collection by Yuri Park

un filo invisibile concatena la vita quotidiana  目に見えない糸によって日常は繋がっている

生後5~6ヶ月頃のカシミヤ仔山羊から初めて刈り取られる産毛から、特別に整毛されたカシミヤをベビーカシミヤと呼びます。通常のカシミヤでも、高密度を持ちながら細い毛で軽く、暖かく、肌触りが良く、上品な光沢もあり、希少でもあることから「繊維の宝石」と呼ばれます。ベビーカシミヤはそのカシミヤと比較しても、さらに高い希少性と、繊細な繊維の極みから生まれる一段と格別な風合い、肌触り、独特の雰囲気を持ち合わせています。糸衣のカシミヤコレクションの中でも特別にラグジュアリーなシリーズとなります。
「ベビーカシミヤ」シリーズは、ベビーカシミヤでしか味わえない五感に直接語りかけてくるような肌触り、しっとり感、温もり、柔らかさをはじめ、ミドルゲージにしっかりと目を詰めて贅沢に編み上げられた独自の風合いから、しなやかな繊細さと、充分な存在感を感じさせてくれます。凛とした冷たい空気を感じる真冬にも、身体を優しくすっぽりと包み込んでくれるベビーカシミヤの温もりは、いつもよりも特別な心地よい時間を与えてくれます。
厳しい気候条件は、良質のカシミヤを生みます。 カシミヤ山羊の生息地域は、乾燥した夏冬の温度差が非常に大きい半砂漠の地域です。中でもアラシャンカシミヤが生息する中国内蒙古自治区西部は、典型的な砂漠、或いは半砂漠の草原であり、気候は乾燥し、風が強く砂塵が多い地域です。年間降水量は、僅か100mm程で夏季の最高気温は40~42℃に達し、冬季の最低気温は-30℃にまで至ります。この厳しい気候条件の中で真冬の寒さをしのぐために生まれる産毛が、カシミヤの中でも最高品質のアラシャンカシミヤとして産出されます。また良質のアラシャンカシミヤは、繊維が細く、白くて光沢があることでも知られています。
カシミヤ繊維と他の天然獣毛繊維を、繊維の太さ(繊度)で一本一本比較した場合、カシミヤ繊維は他の繊維より非常に細いという特徴をもっています。その繊度を数値で表すと、カシミヤは約14~16μ、ヒツジは約20μ前後、モヘアは約30~50μとされています。例えば同じ太さの糸であっても、繊維が細ければ細いほど多くの繊維で束ねられた糸に仕上がります。また糸づくりでは繊維が長いほど甘撚に調整することが可能となるので、繊維の長さは、糸の柔らかさにも繋がっていきます。 DOUBLE FACE CASHMEREに使用される繊維は、カシミヤの中でも最高級とされる38mm以上15μ台。繊維の特徴を十分に活かして撚られる糸は、編糸用に甘撚を掛けた紡毛糸ならではの肌触りと暖かさ、ふっくらとした軽量感を持ち合わせます。最終的に丸編機で編み立てられたDOUBLE FACE生地の仕上がりは、フェミニンさに加え、カジュアルさも表現された過去には見ることのない最上級の逸品です。
毛皮をイメージして、その風合いは生みだされました。 カシミヤ繊維の表面はキューティクルと称する鱗片で覆われている為に、水分や物理的作用の影響を受け、繊維同士の絡みが生じます。この現象は、収縮や毛羽立ちに結び付くのですが、繊維の太さや長さの構成状態から毛羽の発生や収縮度合いなどが大きく変化し、繊維特性として、それぞれ特有の風合いや毛羽感を醸し出す背景になります。カシミヤ繊維に於いてこの挙動を原理として生まれた風合いがFUR CASHMEREです。
羊毛には多くの品種があり、 大別すると英国羊毛、メリノ羊毛 、雑種羊毛、カーペット羊毛に区分されます。 産地はオーストラリア、ニュージランド、南米、米国、ロシア、その他世界各国に分布し、原毛の特性は品種や産地によって大きく異なります。世界中で生産される羊毛の40%がメリノ種とされており、特にオーストラリアでは全体の 75%がメリノ種とされています。メリノ種の羊毛は繊維太さが平均していて、しかも他の羊毛に比べて細く,巻縮(クリンプ)が規則正しい縮れを有し、衣料羊毛としては代表的な品種の一つといえます。中でも最高級品種の羊毛はエクストラスーパーファインウールと名付けられ、 「SUPER 160」はここに位置づけられています。その纖維は直径 15.1 ~ 15.5μと羊毛において超極細番手です。また細毛が密集しているので、その密度の高さが不純物を寄せ付けません。オーストラリアの産毛量の中でも数パーセントしかない細やかな牧場管理の基に生産される貴重な纖維 は、その細さから生まれるしなやかな肌触り、気品のある光沢、ソフトで弾力性があり強さを兼ね備えた素晴らしい特徴を有します。このきめの細やかな素材に強縮絨を施して、柔らかなボリューム感と空気感を表現しています。 いつでもどこでも着ていたい、そんな気持ちを抱かせてくれます。
一般的に風合表現は、ヌメリ、腰、ふくらみの3つの要素で捉えられ評価されます。この3つの風合い評価を力学特性に関連付けると、ヌメリ感は摩擦特性、腰感は曲げ特性、ふくらみは圧縮特性に起因します。毛繊維は他の繊維には観られない巻縮(クリンプ)と称される、らせん構造を多く持ちます。らせん構造とはコイル状のばねの様なものであり、ふくらみ感や回復感に結びつきます。 EPLETEシリーズは、風合い表現の中でも「ふくらみ感」に優れたシリーズです。ここで云う「ふくらみ感」は、単なる嵩高性ではなく、圧縮してやわらかな感じ、しなやかな回復感、表面のやわからさと伸びを兼ね備えた感触など、繊維特有の表現になります。
「繊維の宝石」と「陸の真珠」。カシミヤは「繊維の宝石」と呼ばれ、現在の生活に関わる衣料繊維の中でも希少性 の高い最高級繊維の一つです。また、絹の歴史は古く、中国からシルクロードを経てヨーロッパに運ばれた絹は、その目方に相当する金の値段、あるいはその2〜3倍で取引されていたという高価なものでした。絹は「陸の真珠」とも呼ばれ、古くから最高級繊維の一つでもありました。 カシミヤとシルク。カシミヤシルク糸は、カシミヤ100%紡績糸 と絹100%絹紡糸の交撚糸によるもので、カシミヤの持つ柔らかさにシルクの強さと光沢を表現した糸です。その仕上がりは、編立性に富み、柔らかさ、しなやかさ、光沢感を兼ね備えます。カシミヤとシルクが持つ保温性が生かさ れたインナーは、滑らかな肌触りで下半身を温め、寒い冬に活躍してくれます。
カシミヤは、肌に触れる事で体温を逃さない最高の繊維です。リネンは、中空のストロー状の繊維で、その中に空気を含む事で寒暖の調節ができます。それぞれ異なる特徴を持つ素材が織リ合わされたカシミヤリネンはALASHAN CASHMEREのSAAFを横糸に使用し、FLAX原料の高品質なリネン糸を縦糸に使用しています。たいへん高度な技術が必要とされるこの織物は、歴史と伝統を背景に毛織の卓越した技術で知られる尾州の毛織職人の技術で、今日では希少なションヘル織機を用いて、ゆっくりと時間をかけて丁寧に織り上げられていきます。お互いの素材の良さが引き出されるよう丹念に織り上げられていくカシミヤリネンの量は、一日わずか30m程と極少量です。仕立ては今までにない高い密度が具現化され、従来に無かった暖かさと清涼感を軽さと共に兼ね備えます。素材の良さがそのままストールになったカシミヤリネンは、カシミヤの優しさとリネンの気持ちよさが織り合わされた程よい空気感を含んだ素朴な風合いで、四季を通して首元を心地よく包み込んでくれます。
ポンチ・ローマとは、ジャケットやコートなどに適した両面組織のニット生地で、型崩れが少なく柔らかい風合いのニット生地です。織物と比べると編み組織が密ではないのでその分、軽さを持ち合わせた生地になります。大阪南部の地域では、ポンチ・ローマの加工技術が古くから伝わり、本来カシミヤの持つ独特なヌメリ、柔らかさとポンチ・ローマ組織の持つ柔らかさが相まって、さらに強縮絨する事によって、美しい光沢感と共に滑らかさと独特の風合いが生み出されます。 カシミヤ、ウール・カシミヤ、共にそれぞれの素材感が生かされた「ポンチ・ローマ」シリーズは、TPS(特殊二点千鳥製法)という特殊技術が用いられ、フラットシームな仕上がりとなり、軽やかな動きやすさを実現しながら、エレガントな表情も持ち合わせます。秋分には、昼と夜の長さが等しくなり、秋の気配と共に肌寒さも感じてくる頃となってきます。軽やかに身体を暖かくして秋の夜長へと。